おSHAREイズム

 ブログを放置して早くも3ヶ月となりました。書こう書こうと思いつつ、つい長文を書こうとしてしまい重い腰が上がらない。短い文章でもいいのにね。所詮、自己満足なのだから。


 今日はレイチェル・ボッツマンの『シェア 〈共有〉からビジネスを生みだす新戦略』を読みながら思ったことを書くだけです。書評ではないので、内容の紹介はほとんどありません。ご期待には添えられません。

「シェア」って、つまりどういうことだってばよ!

 「シェア」とは文字通り、何かを「共有すること」を指します。そして主語や目的語は何でも良いのです。ウォール街のビジネスマンでも農家のおっちゃんでも誰でも良くて、モノでもサービスでも何でも良いのです。わかりやすい例を挙げれば、カーシェアリングがそうですね。わざわざ一人一台の車を所有するよりも、複数人で一台の車を所有したほうが、経済的にもお得じゃないか。と、当たり前のことを言っているのです。


 ここでのポイントは、所有することの価値が低くなったということです。大量消費の時代には、車を所有することは社会的なステータスとして高い価値がありました。しかし最近の若者を見ればわかるように、現代においては車を所有してもステータスにならないどころか、むしろ古き時代の象徴として映るかもしれません。


 車はようやく本来の価値である「移動手段」として認識され始めたのです。これが帯にも書かれている「〈所有する〉から〈利用する〉へ〉という話です。我々はドリルが欲しいのではなく、穴を空けたいのです。

じゃあなぜ「シェア」が起こり始めたの?

 シェアが起こるようになったのはWeb2.0以降、SNSソーシャルネットワーキング・サービス)のようなオンラインコミュニティの利用が一般的になってからです。それ以前にもオンライン上のコミュニティは沢山ありましたが、現在のように誰もが利用するという規模ではありませんでした。


 非常に多くの人と接触する機会のあるオンラインコミュニティでは、従来は結び付かなかったであろう共有のニーズが、いともたやすく結びつきます。かくいう自分も某SNSが無ければ、京都でSBR最新刊の考察を行う某会には出会わなかったでしょう。オンラインコミュニティは、非常にニッチなニーズを結びつけることがあります。


 従来こういった共有のニーズは、リアルの狭いコミュニティの中でしか満たせませんでした。ご近所付き合いで主婦が醤油を共有したり、町の大工さんに屋根の修理を手伝ってもらったりする(サービスの共有)のもシェアですね。当然、ご近所や町内でニッチな共有のニーズを満たすことはできません。


 オンライン上のコミュニティは、ご近所や町内の付き合いの規模を、一気に世界レベルに引き上げたのです(と言うと大袈裟か)。やっていることは基本的にご近所や町内の付き合いと同じですが、規模が大きくなれば、それだけ共有のニーズが結びつく可能性も高まります。


 考えてみれば、共有は合理的です。まだ使えるものを要らなくなったからと捨ててしまうより、それを必要とする誰かに贈与してしまったほうが、社会全体で見て無駄がありません。だからバザーやフリーマーケットがあるのだろうし、ご近所や町内の助け合いがあるのでしょう。


 オンラインコミュニティは現代に物々交換を復活させるかの如く、個々人のニーズを満たせる「場」を作ったのです。

まとめとか余談とか

 番組の最後にプレゼントのお知らせが(ry


 本当にいい時代に生まれたと思います。今までは出来なかったことの多くが、出来る時代になったのですから(そうは言ってもまだまだ出来ないことがたくさんあります。二次元の壁を超えられないですし…)。

 
 日本でも先日、Twitterと連動してモノやサービスの贈与を行えるLivlisというサービスが始動しました。自分も早速、見知らぬ人にクリス・アンダーソンの『FREE』を贈与してみました。なんとなく気持ちがいいですね。


 とは言え、悪意あるユーザーが居ないわけではないので細心の注意を。新しいサービスが登場すれば、必ず未成熟なシステムの穴を突いて利益を得んとする輩が現れます。こういったサービスをご利用の際は、くれぐれも過信なさらぬようお気をつけください。


 まだまだ日本ではシェアを行うサービスは少ないですが、これから増えていくことを期待しています。おそらく今食い付いているのは、いわゆるアーリーアダプターだけでしょうね。


 それではプレゼントのお知らせです。本稿で取り上げた、レイチェル・ボッツマンの『シェア』をシェアします。この記事を読んだ奇特な方で、なおかつ『シェア』を読みたいという方が居られましたら、Twitterにて @totoroz までリプライを飛ばしてください。先着一名に『シェア』をシェアします。手渡しでも発送でもどちらでも可能です。誰からもリプライが来なければ大人しくLivlisに流します。


 それでは、この辺りで失礼します。ありーヴぇでるちー