卒業旅行9,10日目(イタリア・フィレンツェ)

ぶぅおなせって…zzz


ここ2日間は大好きなフィレンツェに滞在していました。何が好きかって、建物の配色や造りに統一感があって景観が良く、散歩するだけでも目の保養になること。それと、たくさんのお店で売られている手工芸品のバリエーションが豊富で、長らく買い物を楽しめることですね。


街を歩いていると頻繁に日本人を見かけます。道々のお店の人たちも日本人向けに商売する気が満々です。それだけ日本人の感性に合う街なのか、加えて映画『冷静と情熱のあいだ』の影響も大きいのかな。


ルネサンスが開花した芸術の街でありメディチ家が支えた街でもありますが、芸術にも歴史にも疎い自分では、その辺りを十分に楽しむのは難しいです。とは言え、アカデミア美術館所蔵、ミケランジェロ作のダヴィデ像は自分でも感想を持ち得るほど楽しめます。あれだけは格別というか何というか。


初日の訪問は上記のダヴィデ像を所蔵するアカデミア美術館と、高さ90mを誇るサンタマリアデルフィオーレ大聖堂のクーポラ、アルノ川を跨いだヴェッキオ橋を渡った先にあり、フィレンツェの街並みを一望できるミケランジェロ広場(昼と夜)。翌日はほとんどが買い物で、夕方にはウフィツィ美術館を訪れました。


これまでの街のようにギチギチのスケジュールでの観光はしませんでした。この街の観光は余裕を持って行いたいのです。



前回の日記の直後、eurostarでフィレンツェに到着し、ホテルに宿泊した翌朝よりフィレンツェ滞在の初日が始まります。


まずはサンタマリアデルフィオーレ(花の聖母)大聖堂のクーポラですね。クーポラとは丸天井を意味しますが、今回の場合は聖堂に付属するクーポラのある塔を指します。地上90mのクーポラまで歩いて登れば、ここからフィレンツェの街並みの全方位を眺めることができます。登り切った達成感と合間って余計に感激します。


もう一箇所、街並みを眺めることができるのは、街の南側にあるミケランジェロ広場です。先ほどのクーポラより南、アルノ川に架かるヴェッキオ橋を越えた先の坂道を登ると、ミケランジェロ広場にたどり着きます。ここからはフィレンツェの街並みと、その手前を流れるアルノ川を一望できます。ここからの景色は昼に見ても夜に見ても綺麗です。


アカデミア美術館ではミケランジェロ作のダヴィデ像を鑑賞しました。荒木飛呂彦先生がこのダヴィデ像とその手前にある石像からスタンド「ローリングストーンズ」の着想を得たと思うと感慨深いですね。

肝心のダヴィデ像は、4mもある巨大な彫刻であるにも関わらず細部まで緻密に掘られていて、浮き出ている血管や筋肉の起伏に肉体美を感じます。いや、巨大だからこそ緻密さが目立つのか。それにしても、1500年ごろに作られた肉体美を現代に生きる自分が見ても美しいと感じるのは不思議な感じがする。当時はいったいどんな評価を得たのだろうか。

ちなみに、このダヴィデ像が左手から肩にかけているのは石の入った袋なんですね。旧約聖書ダヴィデがゴリアテを倒したエピソードは知っていたけれども、その際の道具が石の入った袋で、遠心力を利用して倒したというのは初めて知った。


この日の買い物は、革製品のお店、仮面のお店、食べ物のお店を巡りました。革製品といえばサンタクローチェ教会の周辺が有名ですが、この時期には露店が並んでいなかったため、個別のお店を訪問して回りました。その際に同時にヴェネツィアのカルネヴァーレ用に仮面も見て回り、中央市場で食べ物も物色しました。ドライトマトが予想外に美味しいです。


翌朝は前日より目を付けていた革製の小銭入れを購入し、さらに仮面も物色。この街にはとにかく革製品が多いです。露店で自分好みの仮面を購入したので、カルネヴァーレの際に装着してみますね。それから中央市場でドライフルーツやクロスティーニを食べつつ、街の外周を散歩しました。イタリアのiTunesカードも記念に購入してみたり。

途中、藤田和日郎先生の『からくりサーカス』に登場する「最古の四人」のポストカードを見つけて喜んでいたのですが、在庫はアルレッキーノパンタローネ様、ドットーレだけで、コロンビーヌが売り切れだったのは残念です。ブリゲッラやカピタンもありました。


それから暫くして夕方にはウフィツィ美術館へ。ボッティチェリの「ヴィーナス
の誕生」「春」は有名ですね。特別な感慨は湧きませんでしたが。その他、この美術館の所蔵品は、宗教画でも特に聖母子や受胎告知の聖像に集中している様子。これらを描く芸術家を支援したメディチ家の方々はさぞ敬虔なカトリックだったのだろう。


しかしこうやって絵画を眺めていて、どうも自分からは苦手意識が拭えない。技法や伝統、製作当時の時代背景など絵画を理解するのに必要な前提知識が非常に多いように思えて、それを備えていない自分は何の感想も抱けないことが多い。そしてその前提知識をインプットする労力を負担に感じてしまう。

それならば、美術館よりも博物館のほうが自分には向いているのかもしれない。博物館に展示されているものなら、形状からある程度の用途や製作者の意図が読み取れ、理解に掛かる労力が少なくて済む。それでもおそらく10分の1も理解できていないのだろうけれど、決してゼロではない。いずれにせよ「いかにして観るか」は課題だ。


ところ変わって、夜はホテルのオーナーさんに頼んでディナーを作っていただきました。アンティパスト、プリモピアット、セコンダピアット、ドルチェのあるちゃんとしたディナーです。今回の旅行で食事費用の平均が3〜4ユーロ程度の自分たちには、この料理は至福のひと時でした。ごちそうさまでした。ここはいいホテルです。



明日からは水の都ヴェネツィアへ行きます。ジョジョではディアボロとの初の邂逅の場所で、世界的には街中が仮装した人々で賑わうカルネヴァーレで有名な街です。シェイクスピアの『ヴェニスの商人』や天野こずえの『ARIA』を思い出す人もいるでしょう。楽しみです。


それでは再度、おやすみなさい。